ISSUE DRIVEN

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

どうせ働くなら価値のあることをやりたい。

本の中で「犬の道」という表現があって、これは、やる必要性の低い仕事(とりくむ問題・イシュー)をただガムシャラに大量にこなし、価値を出していこうとする行為のことをいう。やる必要性のない、価値のないイシューをいくらこなしたところで、次に価値のあるイシューに対して結果を出す可能性は変化せず、たまたま価値のあるイシューに結果を出せたとしても「犬の道」のやり方では次に価値を見つける再現性が低い。価値のあるイシューを見極め、そのイシューに取り組み、結果として高い価値を生み出す技術を獲得しようねという本。

良いイシュー

然るべくアプローチをとれば高い価値を得られるイシューが良いイシューだと思う。イシューの価値とはそれが解決されるともたらされる影響力・インパクトのことだ。よくプログラマーとしての市場価値とかいう。誰もが「答えを出すべきだ」とか「手がつけられない」「そもそも何が問題なのか分からない。この状況につけ入る隙はあるのか?」と考えているような、インパクトを与えるイシューに対し「俺の知識・技術をもってすれば答えを出せるぞ」と現れて、颯爽と解決していく人が市場価値のある人なんだろうなぁと思う。誰も手がつけられない問題を解決することは本当にインパクトがあって価値のあることだ。かっこいい。

そんなイシューはどこで見つかるのか。文字通り視野を広くしないと見つからない。プロフェッショナルとジェネラリストといった道を進んでいくと着実に視野を広げることができる。視野を縦に広げるのがプロフェッショナルで、一分野を突き詰めると誰も見たことのない世界を見ることができる。横に広げるのがジェネラリストで、分野を超えた経験・知識は、ある分野における問題を多角的に見ることができる。どちらにしろ、視野を広げようとしないことには良いイシューを見つけるのが難しい。

イシューを見つけても結果を出せるかは別の問題だけど、良いイシューを見つけることの再現性が高い人は、その力がありそうだ。